ずれはからずもぶれ

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2024年6月10日(月)~6月30日(日)(6月17日は休館日)
都美セレクション グループ展 2024: ずれはからずもぶれ
アーティスト ユミソン、イシャイ・ガルバッシュ、ハ・ジョンナム、イレン・トク、アリサ・ベルゲル・近藤愛助、吉川浩満
会場 東京都美術館ギャラリーB 〒110-0007 東京都台東区上野公園8-36
入場料 無料 開館時間 9:30 – 17:30 (入室は閉室の30分前まで)夜間開館 金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)
最寄り駅からの所要時間 JR上野駅「公園改札」より徒歩7分, 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅「7番出口」より徒歩10分, 京成電鉄京成上野駅より徒歩10分
※美術館には駐車場はございませんので、車でのご来館の際はご注意ください。

About

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ずれはからずもぶれ
移動 はたしてそれは自由を意味するのか?

2024年6月10日から6月30日まで移動や移行をテーマにした展覧会「都美セレクション グループ展 2024 ずれはからずもぶれ」を東京都美術館で行う。参加アーティストは7名。

第二次世界大戦中に米国の日系人収容所に収容されていた曽祖父と自分を重ねる近藤愛助、ナチスドイツに連行されドイツ各地の収容所を巡ったユダヤ人の母の足跡を辿るイシャイ・ガルバッシュ、日帝時代に朝鮮を逃れた母とロシア帝国からウクライナへのがれたユダヤ系の父のファミリーツリーを追うアリサ・ベルゲル、ユミソンの父は北と南で揺れ動く韓国のアイデンティティの確立の中で大虐殺の現場に遭遇し、ハ・ジョンナムは嫁入りとして日本から韓国へと渡った。イレン・トクは知識の集積である本の中を物理的に旅をする人々を描く。吉川浩満は膨大な書物の中の知識を横断しながら言葉をつむぐ。

移動には曖昧さがつきまとう。全て自分で決めたと思っている旅程にしても、そのときの個人や会社の予算や予定、時代性などが導き出した可能性の中から偶然選ばれたものだ。一時的に移動したつもりが安住の地になる場合もある。私の選択はそのようにして、目の前に開かれた可能性の中で偶然に出会ったものに過ぎない。「必ず」いかなければならない場所でさえ、その必然性は多数の偶然生の積み重ねの上に成り立っている。見えない何かが、どうしても私をここへ運んでしまうというような偶然の集積もある。

紙の上をおよぐ筆。絵画ならまだしも文字は必然的な動きしかしないと思うのは、浅はかな考えだろう。ストロークには無数の未来がある。一方で、文字という決まった集合体がある。識字能力がなければその集合体が同じものだったとしてもストロークに騙される。または識字能力に騙されて、自由なストロークが見えなくなっているとも言えるかもしれない。絵画が何を描いているのかを理解できるのも文字のストロークを追うのと同じ構造かもしれないし、全く別の思考回路を必要としているのかもしれない。そして絵画にしろ文字にしろストロークは集合体の必然性から逃れつづけようと苦悩する。

私たちは身体的にも、紙の上でも想像上でも移動を繰り返す。ときには足止めをくらう。個人的な社会的な物理的な理由によって。そしてまた放り出される。

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イベント


ギャラリーツアーとナイトピクニック

ギャラリーツアーとナイトピクニック

6月10日(月) ツアー15:30–17:30、ナイトピクニック18:00-
展覧会初日に来日アーティストのアリサ・ベルゲル・近藤愛助、ハ・ジョンナム。そして吉川浩満、ユミソンによる作品解説を行います。また18時からは上野公園にてアーティストとナイトピクニックを開催。お気軽にお越しください。
会場:東京都美術館 ギャラリーB/参加費:無料/事前申込不要/当日先着受付順


ハ・ジョンナムの観客とつくるパフォーマンス

ハ・ジョンナムの観客とつくるパフォーマンス

6月15日(土) 15:00–16:30
ハ・ジョンナムのパフォーマンスに参加しませんか?もちろん観覧だけでも参加可能です。パフォーマンスの詳細は未定ですが、ダンスやジェスチャーをするのではなく、ジョンナムの作った作品に参加者が少し手を加えるような内容です。パフォーマンス自体は30分程度の予定で、そのあとは作家の作品解説があります。
会場:東京都美術館 スタジオ/参加費:無料/事前申込不要/当日先着受付順/定員40名


永井玲衣

吉川浩満の哲学対話01,02
ファシリテーション:永井玲衣

6月15日(土) 10:00–12:00
6月29日(土) 10:00–12:00
移動と移行、偶然をめぐって──観客のみなさんと対話する哲学対話を2回行います。ファシリテーターとして哲学者/哲学研究者の永井玲衣さんをお迎えします。
永井玲衣さんプロフィール「学校・企業・寺社・美術館・自治体などで、人びとと考えあう場である哲学対話を幅広く行っている。Gotch主催のムーブメント「D2021」などでも活動。著書に『水中の哲学者たち』(晶文社)。連載に「世界の適切な保存」(群像)「ねそべるてつがく」(OHTABOOKSTAND)「これがそうなのか」(小説すばる)「問いでつながる」(Re:ron)など。第17回「わたくし、つまりNobody賞」受賞。詩と植物園と念入りな散歩が好き。 」
会場:東京都美術館 スタジオ/参加費:無料/事前申込制 お申し込みはこちらから→ apply

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Alisa Berger

アリサ・ベルゲル
アリサ・ベルゲルは1987年にダゲスタン共和国のマハチカラで生まれ、ウクライナのリヴィウで育った。ケルン メディア アート アカデミー (KHM) とコロンビア国立大学ボゴタ校で映画と美術を学んだ。ディプロマフィルムとフィクションの長編デビュー作『The Astronauts' Bodies』で、彼女はマックス・オフュルス賞とドイツ映画アカデミーのファーストステップ賞にノミネートされ、国際映画祭で最優秀新人監督賞を受賞。ウルグアイ国際映画祭で新人監督賞を受賞。ウルグアイ国際映画祭最優秀新人監督賞、H.W.ガイゼンデルファー脚本賞受賞。
アリサ・ベルゲルは、しばしば共同制作のプロセスで、パフォーマティブな介入を伴う、創造/変化/破壊されるような映像やインスタレーションを制作している。ソウル・アートスペース衿川(ソウル)、HMKV(ドルトムント)、PATARA Gallery(トビリシ)での個展、ミュージアム・ビエンナーレ(クラスノヤルスク)、KINDL – Centre for Contemporary Art(ベルリン)、KAI 10 | ARTHENA FOUNDATION(デュッセルドルフ)、MMOMA - Moscow Museum of Modern Art(モスクワ)、BACC Bangkok Art & Culture Center(バンコク)など多くのグループ展に参加している。
2011年からは、アーティストでフィルムメーカーのレナ・ディッテ・ニッセン(Lena Ditte Nissen)と「bergernissen」の名でコラボレーション開始した。国際的な映画製作会社FORTIS FEM FILMの共同設立者であり、映画における女性とそのストーリーの認知度向上に尽力し、またサウンド・パフォーマンスにも携わり、DJとしてベルリンのdublab.deで毎月イベントを主催していた。現在はフランスのル・フレノワ国立現代芸術スタジオに所属。

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Yishay Garbasz

イシャイ・ガルバッシュ
ベルリンを拠点とするアーティスト。彼女の作品はトラウマ的記憶の文化的な継承を探求するものである。彼女は人間の最も暗い部分を見たいという願望に駆られ、自身が実践することによりそれを照らし出す。社会から疎外されたコミュニティや、戦争や災害の影響を受けた地域で活動することで、彼女は見えないものを見えるようにし、見苦しいものを優しく見えるようにする継続的なプロセスに従事している。彼女は、東京、ソウル、ニューヨーク、マイアミ、ボストン、ベルリン、パリ、ロンドン、釜山ビエンナーレなど、世界各地のギャラリーや美術館での個展やグループ展に参加している。2冊の写真集を出版し、3冊目の写真集を制作中で、最初の写真集「In My Mother's Footsteps」はドイツ写真集賞にノミネートされた。2010年、彼女はベルリンの女性フィルムメーカーであり、2021年、Stiftung Kunstfonds Arbeitsstipendiumの受賞者であり、トーマス・ワトソンフェローでもある。世界的なアート出版社であるファイドン出版「Great Women Artists」やプレステル出版「Citizen women: Illustrated history of the women's movement」等に掲載。

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Irem Tok

イレン・トク
1982年生まれ。イスタンブール在住。彼女の作品は、無力さ、もろさ、人間であることの一時的なもの、自然や知識との関係を通して発展するもの、といった概念に基盤を置いている。自然が人類や文明と共存すること、またその衝突は、作品において重要な位置を占めている。構築された歴史という概念や、生命の起源を理解することはできなくても、全宇宙を理解しようとする人間の皮肉は、彼女にとって興味深い。映画『デルス・ウザーラ』(1975年)の主人公は、「自然の前ではすべてが小さい」と言う。木々、山々、空、そして生命の曖昧さの中にあるものに対して、人間はとても小さい。文学や詩は人間の内面生活の産物であり、科学や哲学は宇宙を理解するための闘争の産物である。彼女は通常、さまざまな媒体を使うが、それは取り組んでいるコンセプトに関連して変化し、変容します。彼女は彫刻、絵画、アニメーション、陶芸、情景、細かいディテールのある雰囲気など、媒体間の対話を創り出す。
百科事典、歴史書、辞書は、その内容やオブジェとして私を魅了する。彼女の作品において、百科事典は知識と文化のシンボルとしての位置を占めている。地層のように、私は歴史書のページを切り取り、自然の情景を構成する。彼女は、世界と人類の歴史を掘り起こそうとする考古学者のように、それぞれのページを掘り起こす。すべての新しい表面で、私たちは過去から浄化された時間、私が目撃した瞬間に遭遇する。そして時には、文章から解き放たれた太古の時間が突然やってくることもある。
アーティスト・イン・レジデンス・プログラム カミヤマ・エア、日本(2018)シテ・デ・ザール、パリ(2013)、ヴィラ・ヴァルトベルタ、ミュンヘン(2012)、art.homes、ミュンヘン(2011)、仁川芸術文化財団スクールゲートプロジェクト、韓国(2010)、リトマス・コミュニティスペース、韓国(2009)。
個展は「Close Up」(Pilot、イスタンブール、2019年)「Heian No Mori」(Kamiyama、日本、2018年)、「Where I Fell into Earth」(Pilot、イスタンブール、2016年)、「Against the Wind」(Pilot、イスタンブール、2013年)、「Fade Away」(Outlet Galeri、イスタンブール、2011年)。
主なグループ展に、「Buch Welten, Book World」シンクレア美術館(フランクフルト、ドイツ、2017年)、「Desire: Selections from the Borusan Contemporary Art Collection」イスタンブール(2015年)、「Signs Taken in Wonder」MAK美術館(ウィーン、2013年)、「Blur」ヴェルトラウム(ミュンヘン、2012年)、「Etats d'Ames」ENSBA(パリ、2010年)、「Mind Models: the First Show」Borusan Music and Art Center(イスタンブール、2010年)など。

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Aisuke Kondo

近藤愛助
「記憶の再構築」をコンセプトに、 写真、ビデオ、ドローイング、パフォーマンス、詩、そしてインスタレーションといった、多岐にわたる媒体を用いた学際的な手法で、リサーチ・ベースの作品制作を行っている。
近年の作品シリーズ「物質と記憶」(2013年~現在)で近藤は、1907年に日本からアメリカへ移住し、第二次世界大戦中「トパーズ日系人強制収容所」に収容された曽祖父の半生を辿り、ルーツ、アイデンティティ、歴史の探求をしている。ドイツを拠点に活動する近藤は、自身の移民としての生活を曽祖父の半生と重ねることで、「世代間における記憶の引き継ぎ」を主な作品制作のテーマとして挙げている。
近藤は2001年にBゼミスクーリングシステムを卒業、2003年に渡独する。2004年にドイツ・ベルリン芸術大学に入学、2008年同大学を卒業し、マイスターシューラーの称号を取得。2012年から2013年まで、ドイツ・ギーフホルンのクンッェ芸術財団(KunststiftungKunze)より活動助成を受ける。2016年、アジアンカルチュラルカウンシル(ACC)からの助成を受け、アメリカ西海岸にて3ヶ月間、曽祖父が収容されていた日系人強制収容所のリサーチを行う。2018年から文化庁新進芸術家海外研修員および日米芸術家交換計画派遣芸術家(日米友好基金)として、1年間サンフランシスコ州立大学 民俗学部 アジアンアメリカン学科に客員研究員として在籍、ベイエリアに拠点を置きながら、日系アメリカ人史とそのアートについてのフィールドワークを行った。また2018年からドローイングプロジェクト「A picture you might have drawn(あなたが描いたかもしれない絵)」を開始、2021年にはベルリン芸術アカデミー(Akademie der Künste, Berlin)の助成を受け、日系アメリカ人兵士のドイツ・ダッハウ強制収容所の解放の歴史に関するアートプロジェクトや、2022年にはドイツの芸術基金財団(Stifutung Kunstfonds)の助成を受け、19世紀末に始まった黄禍論など、西洋社会におけるアジア人差別の歴史に関するアートプロジェクトを行なった。2023年にはをベルリン州政府文化局 (Berlin Senate Department for Culture and Europe) より「美術家への調査・研究奨学金」受けた。現在はベルリンを拠点に活動している。
近年の主な個展にドイツ・ギーフホルンのKunstraumKunze(2023)、仙台のギャラリー ターンアラウンド(2018)、ベルリンのシュテーグリッツ=ツェーレンドルフ区立ギャラリー (2018) 、ロサンゼルスのMINTMOUE(2017)、TAM - 東京アートミュージアム(2016) 、そして京都アートセンター (2016) での発表がある。

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JhonNam Ha

ハ・ジョンナム
日本で生まれた在日コリアン3世。 2017年から結婚のため韓国で暮らしている。
2018年、偶然アンドンハンジ(韓紙)工房を訪問した後、曽祖父が住んでいたとする本籍地を初めて訪ねる。胸がいっぱいになり日本にいる両親に電話をした所、なんとその日は曽祖父の命日だと知らされる。先祖が導いてここまで来たという運命を感じ、アンドンハンジ(韓紙)を使用した作品を作り始める。現在は日本の故郷である信濃大町の「松崎和紙」と「韓紙」を自ら張り合わせ、唯一無二の「紙」を使用し制作やパフォーマンスを行っている。 主な主題としては、日本と朝鮮半島(韓半島)、そして在日コリアンの「境界」にいる多様化されたアイデンティティを探求し、文化·歴史的差異からくる間隙を視覚化する作業を行っている。
近年の展示として、イエローメモリー2023(韓国)、Baggatアートエキシビション(韓国)、信濃の国 原始感覚美術祭 (日本 2015-)、コリアンディアスポラ- Hanji airplane (仁川アートプラットフォーム)、さどの島銀河芸術祭2021(日本)、「サゴントーク」無形のレジデンス#2 他。

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Hiromitsu Yoshikawa

吉川浩満
文筆家、編集者、ユーチューバー。
1972年3月、鳥取県米子市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、現職。 晶文社にて編集業にも従事。
関心領域は哲学・科学・芸術、犬・猫・鳥、デジタルガジェット、映画、ロックなど。哲学愛好家。
Tシャツ愛好家。ハーレーダビッドソン愛好家。卓球愛好家。

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Yumi Song

ユミソン
本展企画者。その土地がどんな物語を持っているのかを筆ではなく思想のストロークで描く。東京のお寺や神社を舞台に自分が育った地域へ影響を返すパフォーマンス《うまれっぱなし!》から活動を開始し、2004年からは表現形式をインスタレーションへと変え、アート系のウェブ媒体等で展覧会のレビューや批評などの執筆活動も開始(2007-)、2010年から展覧会の企画やキュレーションも行う。
インスタレーションは、父が幼少期に経験した済州島4.3事件(虐殺事件)と作家自身が経験した東日本大地震後に受けた恫喝の記憶を交差させ、誰にでもどこにでも起こる抽象的な物語としたインスタレーション《It Can’t Happen Here》(2013,ユミソン展,中京大学アートギャラリーC・スクエア,愛知県)や、その土地に住む人々の言語化しないうちにズレていった記憶の風景を追うために町中を走るバスツアー《哲学者の部屋》(2011,中之条ビエンナーレ,群馬県)、その土地に住む人々が長く使っている湯呑みを集め、その思い出をきっかけに物質から立ち現れる「存在」を扱ったお茶会《かみさまをつくる》(2012,信楽アクト,滋賀県)などがある。
企画としては、文化庁新進芸術家海外研修員として英国領北アイルランドにて《When The Wind Blows 風が吹くとき》展の共同キュレータ(2015)、福島県福島市にて《土湯アラフドアートアニュアル2013》《アラフドアートアニュアル2014》の総合ディレクタ、東海道の宿場町を中心とした《富士の山ビエンナーレ2014》キュレータ、宮城県栗駒市に位置する《風の沢ミュージアム》(2014-2017)のディレクタ等を務める。
2016年からは女性の執筆者の数を増やすWikipediaエディタソンを不定期で開催。またアーティストランのベクソン・アーツ(2016-)を立ち上げる。

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この展覧会を開催するにあたり、東京都美術館はセレクション展の企画者として場所の提供と告知をしてくれました。しかしその他の補助はありません。運営を続けるには、あなたからの寄付が必要です。ここで集まった寄付金は、まず海外からくるアーティストたちの渡航費や作品輸送費、次に制作費、日本での宿泊費、最後に図録制作費などに使わせていただきます。ご寄付いただいた方には、かかった運営費のデータを共有させていただきます。
ご寄付は100円から50万円まで、クレジットカードで受け付けています。個別のアーティストに寄付をするか、運営全体に寄付をするのかを選べます。
また、寄付に関してはユミソンに責任と管理があり、美術館はこの寄付事業には一切関与していません。

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